これから家を建てようと考えている方にとって、住宅ローンの金利は気になるところではないでしょうか。
「変動金利はまだ低いの?」
「固定金利はどれくらいまで上がっている?」
「今、住宅ローンを借りても大丈夫?」
そんな疑問を持っている方も多いと思います。
日本では長い間、非常に低い金利が続いてきました。
しかし、住宅ローンを取り巻く環境は少しずつ変わっています。
2026年9月5日現在、日本銀行は無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移させる金融政策を行っており、住宅ローンの変動金利についても以前より高い水準の商品が増えてきました。
だからといって、「今は住宅ローンを借りるべきではない」ということではありません。
重要なのは、現在の低い金利だけを見て借入額を決めるのではなく、金利が変わった場合でも無理なく返済できる資金計画をつくることです。
今回は2026年9月5日時点の住宅ローン金利の状況と、これから住宅ローンを利用するときに注意したいポイントについて解説します。
2026年9月現在の住宅ローン金利はどのくらい?

まず、現在の住宅ローン金利がどの程度なのか確認してみましょう。
三菱UFJ銀行では、2026年9月に新規で借り入れる場合の変動金利が年1.195%、固定10年が年3.63%となっています。
また、完済まで金利が変わらない全期間固定では、31年以上35年以下で年4.30%です。
auじぶん銀行では、2026年9月5日時点で、物件価格の80%以下を借り入れる場合の変動金利が、一般団信で年1.080%、がん50%保障団信では年1.134%となっています。
ただし、物件価格の80%を超えて借りる場合は年0.045%、35年を超える返済期間では年0.1%が上乗せされるなど、条件によって実際の金利は変わります。
SBI新生銀行でも2026年9月契約の場合、変動金利の通常金利として年1.080%が示されており、SBIハイパー預金を利用するなど一定の条件を満たす場合は、そこから年0.09%の金利優遇を受けられます。
このように、現在でも変動金利は固定金利と比べれば低い水準です。
一方で、かつてのように「変動金利なら0%台が当たり前」と考えるのは難しくなっています。
フラット35は3%台の金利水準に

全期間固定金利の代表的な住宅ローンであるフラット35を見ると、金利環境の変化がさらに分かりやすくなります。
2026年9月現在、返済期間21年以上35年以下のフラット35では、金利の範囲が年3.46%〜5.69%、最も多く提供されている最頻金利は年3.46%です。
15年以上20年以下では、最頻金利は年3.14%となっています。
ただし、フラット35には家族構成や住宅性能などによる金利引下げ制度があります。
たとえば一定の条件を満たして4ポイントの金利引下げが適用される場合、21年以上35年以下では当初5年間の金利が年2.46%となる例もあります。
そのため「フラット35は必ず3.46%で借りる」という意味ではありません。
また、固定金利には大きく分けて「一定期間だけ固定するタイプ」と「返済終了まで固定するタイプ」があります。
固定10年であれば10年間は金利が変わりませんが、その後の金利は改めて決まります。
一方、フラット35などの全期間固定金利は、借入時に返済終了までの金利が確定します。
同じ「固定金利」でも仕組みは違うため、金利の数字だけで比較しないことが大切です。
変動金利は借りたときの金利がずっと続くわけではない

現在の住宅ローンを見ると、
「固定金利より1%台の変動金利の方が得なのでは?」
と思う方もいるでしょう。
確かに現在の金利だけを比較すれば、変動金利の方が毎月の返済額を抑えやすいケースは多くあります。
ただし、変動金利で一番注意したいのは、借入時の金利が返済終了まで続くわけではないことです。
実際、金利の見直しはすでに起きています。
みずほ銀行では、2026年9月30日までに変動金利年1.025%〜で借り入れた場合でも、2027年1月返済分から年1.275%〜が適用されると案内しています。
これは2026年8月の短期プライムレート改定を反映したもので、さらに短期プライムレートが変更された場合には、適用金利が変わる可能性もあります。
住宅ローンは30年、35年、中には40年以上返済を続けるものです。
「今何%なのか」だけではなく、
「金利が上がったとしても返していけるのか」
まで考えておくことが、これからはより重要になります。
金利が1%違うと4,000万円の住宅ローンはどう変わる?

住宅ローンでは、金利が1%違うだけでも毎月の返済額は大きく変わります。
たとえば4,000万円を35年間、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りるとします。
金利が35年間変わらないという単純な条件で計算した場合、
金利1.0%なら毎月約11万3,000円。
金利1.5%なら毎月約12万2,000円。
金利2.0%なら毎月約13万3,000円です。
1.0%と2.0%では毎月約2万円、年間では約24万円の差になります。
もちろん、実際の変動金利では途中で金利が変わるため、この通りに返済額が推移するわけではありません。
ここで大切なのは、
「今の金利なら毎月11万円だから大丈夫」
と考えるのではなく、
「毎月13万円になったとしても生活できるだろうか」
というシミュレーションもしておくことです。
住宅ローンの返済期間は非常に長いため、最初から多少の金利上昇を想定した資金計画をつくっておく方が安心です。
5年ルールがあるから金利が上がっても安心、ではない

変動金利について調べると、「5年ルール」「125%ルール」という言葉を目にすることがあります。
一部の金融機関では、変動金利で元利均等返済を利用している場合、金利が変わっても毎月の返済額を5年間据え置く仕組みがあります。
これが5年ルールです。
さらに、5年後に返済額を見直す場合でも、それまでの返済額の125%を超えないようにするのが125%ルールです。
三菱UFJ銀行では、変動金利かつ元利均等返済の場合にこの仕組みを採用しています。
しかし、
「返済額が変わらないなら安心」
ということではありません。
金利が上昇すれば、毎月支払っている金額の中で利息が占める割合が増え、元金の減り方が遅くなる可能性があります。
さらに金利が大幅に上昇すると、毎月の返済額では利息を払い切れず、未払利息が発生するケースもあります。
そして、5年ルールや125%ルールはすべての住宅ローンにあるわけではありません。
たとえばSBI新生銀行では、5年ルールも125%ルールも採用していません。
金利が変更されると返済額も変更され、返済額の増加幅にも上限がない仕組みです。
同じ変動金利でも金融機関によって仕組みは違います。
住宅ローンを選ぶときには金利だけではなく、「金利が変わったときに返済額がどう変わるのか」まで確認しておきましょう。
「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は違う

住宅ローンを考えるうえで、金利と同じくらい重要なのが借入額です。
銀行から、
「5,000万円まで借りられます」
と言われたとしても、
「5,000万円借りても無理なく暮らせます」
という意味ではありません。
住宅ローン審査では年収だけではなく、返済負担率、勤続状況、健康状態、他の借入、物件の担保評価など、さまざまな条件が確認されます。
しかし、住宅ローンを返しながら実際に生活するのは自分たちです。
家を建てたあとには、
子どもの教育費。
車の購入や買い替え。
家族旅行。
住宅の修繕費。
固定資産税。
火災保険や地震保険。
老後資金。
など、住宅ローン以外にも多くのお金が必要になります。
住宅ローン審査で借りられる上限まで借りてしまった結果、毎月の返済だけで家計に余裕がなくなってしまっては、せっかく建てた家での暮らしを楽しめません。
住宅ローンでは「いくら借りられるか」以上に、「いくらなら余裕を持って返していけるか」を考えることが大切です。
車のローンやカードローンにも注意する

住宅ローンを申し込むときには、住宅ローン以外の借入も確認しておきましょう。
自動車ローン。
教育ローン。
カードローン。
クレジットカードのリボ払いや分割払い。
こうした借入の返済が残っている場合、住宅ローンの返済負担率や審査に影響する可能性があります。
特に注意したいのは、住宅ローンの事前審査が終わったあとです。
「事前審査に通ったから大丈夫」
と思い、新しく自動車ローンを組んだり、大きな分割払いを利用したりすると、本審査時の借入状況が変わってしまいます。
住宅ローンの融資が実行されるまでは、新しい借入を増やすことは慎重に考えた方がいいでしょう。
また、スマートフォン本体の分割払いについては、単純に「分割払いをしているだけで住宅ローン審査に不利になる」と考える必要はありません。
ただし、スマートフォン端末の分割契約や支払状況が信用情報として扱われる場合があるため、支払いを延滞しないことは重要です。
住宅ローンは申し込んだ日の金利で借りられるとは限らない

注文住宅を建てる方には、もう一つ重要な注意点があります。
住宅ローンを申し込んだ時点で見ていた金利が、実際に住宅ローンを借りるときにも適用されるとは限りません。
適用金利が決まるタイミングは金融機関によって異なります。
auじぶん銀行では、申込時ではなく実際に住宅ローンを借り入れる日の金利が適用されます。
一方、SBI新生銀行では、申込時ではなく契約日、正確には条件確定日の金利が適用されます。
注文住宅の場合、住宅会社と契約してから家が完成するまでには時間がかかります。
今月見た住宅ローン金利を前提にギリギリの資金計画をつくってしまうと、実際に住宅ローンを借りるときに金利が変わり、想定していた返済額を超えてしまう可能性があります。
住宅ローンを比較するときには、
「いつの金利が適用されるのか」
を必ず確認しておきましょう。
土地から家を建てるなら分割融資やつなぎ融資も確認する

土地を購入して注文住宅を建てる場合には、住宅ローン金利だけを比較していてはいけません。
注文住宅では、家が完成する前にもお金が必要になります。
土地購入代金。
着工金。
中間金。
などです。
金融機関によっては住宅ローンを複数回に分けて借りられる「分割融資」に対応している場合があります。
一方で、建物完成まで別の「つなぎ融資」を利用するケースもあります。
みずほ銀行では注文住宅向けの分割融資を用意しており、土地購入代金や着工金など、完成前の支払いにも住宅ローンを分けて利用できる仕組みがあります。
つなぎ融資を利用する場合は、住宅ローンとは別の金利や手数料が必要になることがあります。
そのため、
「住宅ローン金利が一番安い銀行を選んだ」
と思っていても、土地購入から完成までの費用を含めると、必ずしも一番安いとは限りません。
土地から注文住宅を建てる方は、完成後の住宅ローンだけではなく、土地購入から建物完成までのお金の流れを確認することが重要です。
金利だけで住宅ローンを選ばない

住宅ローンを比較するとき、どうしても目につくのは「年1.080%」などの金利です。
しかし、本当に支払う費用は金利だけではありません。
たとえばauじぶん銀行では、住宅ローン利用時に借入金額の2.20%の事務手数料が必要です。
4,000万円を借りる場合なら88万円になります。
金融機関によって、
融資事務手数料。
保証料。
団体信用生命保険の上乗せ金利。
繰上返済手数料。
固定金利への変更手数料。
なども違います。
さらに団体信用生命保険についても、死亡・高度障害だけを保障するものから、がんや三大疾病などまで保障するものがあります。
保障内容を充実させることで金利が上乗せされる商品もあります。
住宅ローンを比較するときは、
「何%で借りられるか」
だけではなく、
「どんな保障が付いていて、どんな費用が必要なのか」
まで含めて考えましょう。
変動金利と固定金利はどちらを選べばいい?

ここまで読むと、
「結局、変動金利と固定金利はどちらがいいの?」
と思う方もいるでしょう。
しかし、すべての家庭に共通する正解はありません。
変動金利は現在の返済額を抑えやすい一方で、将来金利が上昇するリスクがあります。
全期間固定金利は変動金利より現在の金利が高いものの、借入時に将来の返済額まで確定できる安心感があります。
たとえば、貯蓄に余裕があり、金利が上昇した場合にも返済額の増加に対応できる家庭と、毎月の返済額が2万円増えただけでも生活に大きな影響が出る家庭では、住宅ローンの選び方は変わります。
大切なのは、
「どちらの方が最終的に得するかを当てる」
ことではありません。
将来の金利を正確に予測することはできないからです。
自分たちの収入、貯蓄、家族構成、教育費、将来の働き方などを考え、
「どの程度の金利変動なら家計が耐えられるのか」
から住宅ローンを選ぶことが大切です。
今の金利ではなく、これからの暮らしを考えて住宅ローンを決める

2026年9月現在、住宅ローンを取り巻く環境は、数年前までの超低金利時代とは変わってきています。
変動金利は現在も固定金利より低い水準ですが、実際に基準となる金利の見直しも行われています。
一方、全期間固定金利では3%台、金融機関や商品によっては4%台の金利も見られます。
だからといって、必要以上に住宅ローンを怖がる必要はありません。
大切なのは、今表示されている最低金利だけを基準に家づくりの予算を決めないことです。
住宅ローンは数十年間続きます。
その間には、金利も変われば、家族の暮らしも変わります。
住宅ローンを考えるときには、
「今なら払えるか」
ではなく、
「金利が上がっても、この家で無理なく暮らし続けられるか」
を考えること。
借りられる最大額ではなく、暮らしに余裕を残せる返済額から家づくりの予算を決めることが、これからの住宅ローン選びではより重要になっています。
レンガの家専門 SEISYO三重支店
SEISYO三重支店ではレンガの家、クラシック住宅を中心に家づくりをしています。新築をご計画の際には、ぜひご相談ください。
お問い合わせはこちら
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
https://seisyo-co.jp/contact/
著者プロフィール
中島 盛夫
株式会社盛匠代表取締役[保有資格:二級建築士、宅地建物取引士]
大工としてひたむきに走り続けていた26歳のある日、お客様の娘様から頂いた現場での一言、 「良い家を作ってくれてありがとう」その言葉に建築への想いが膨らんでいく気持ちに気づいた私は、 「家づくりの最初から最後まで、じっくりをお客様と対話して、一生のお付き合いがしたい」と感じ、SEISYOを立ち上げました。